千葉の天然記念物の巨木を尋ね歩いて、多くの森をみてきた。千葉県は、房総半島の南から北に向かい、房総丘陵・下総台地・下利根平野とだんだん低くなる典型的な低山性の地形で、森の形成には自然条件が整っているようにみえる。
しかし、かなりの昔から、人々は、よりよい生活を求めて森を切り開き、相連なった森は、神社･仏閣の周辺に、いわゆる鎮守の森を残して、切れ切れの森になってしまっている感がある。
自然保護のために、少なくとも現在の小森は、管理された森として残さねばならないと思う。
ここに、訪ね歩いた森を詠い継いでみたい。（
英舟：房総の森）
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山低き 房総の森 残してや |
| ＃１ |
佐倉城址周辺の森 常盤木の 緑をあやに 花桜 |
佐倉市 |
| ＃２ |
浅間神社の極相林 成すまでに 幾星霜か 極相林 |
松戸市小山 |
| ＃３ |
神崎森 小山なす 神崎森は 静もりて |
神崎町神崎本宿（神崎神社） |
| ＃４ |
向山のフジザクラ樹林 薊咲く 野道はあれど 向山 |
富津市海浪
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| ＃５ |
麻賀多神社の森 台方に 千古不動の 精を得て |
成田市台方 |
| ＃６ |
天神の森・飯高檀林の森 今は昔 梅檀林の 感慨や |
八日市場市飯高
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| ＃７ |
龍福寺の森 耳澄まし 小鳥の声を 聞き分ける |
海上町岩井
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| ＃８ |
猿田神社の森 花咲けば それと知りたる 山法師 |
銚子市猿田
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| ＃９ |
渡海神社の極相林 竹笹に 侵され行くや 極相林 |
銚子市高神西町
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| ＃１０ |
那古寺の自然林 那古山の 樹海の緑を もとおりつ |
館山市
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| ＃１１ |
州崎神社自然林 海岸を 望む御山に 展開す |
館山市州崎
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| ＃１２ |
三石山自然林 三石の 岩に登りて 見渡せば |
君津市（観音寺）
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| ＃１３ |
笠森自然林 みぞれ降る 三本杉の 笠森や |
長南町笠森（笠森寺）
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| ＃１４ |
七百余所神社の樹木 十一の 巨木が生うる 御社は |
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| ＃１５ |
八幡山植物群生地 ひめはるの 里に拘る 八幡の |
茂原市上永吉（八幡神社）
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| ＃１６ |
軍茶利山の植物群落 静もれる 軍茶利山の 極相林 |
一宮町東浪見（東浪見寺）
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| ＃１７ |
石塚の森 山頂に 赤き御堂の 映え渡り |
成東町成東（不動院）
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| ＃１８ |
坂戸神社の森 椎の木の かくも雄々しき 森成すは |
袖ヶ浦市坂戸市場
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| ＃１９ |
小御門神社の森 花山院を まつり建てらる 塚盛りに |
下総町名古屋
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| ＃２０ |
香取神社の森 かくもまた 古木の生いし 御社に |
佐原市香取 |
| ＃２１ |
高滝神社の森 ご加護得れば 大杉の生う 御社の |
市原市高滝
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| ＃２２ |
権現の森 管理無き 林の中の うつろさよ |
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| ＃２３ |
甚兵衛の森 その昔 甚兵衛がこと 讃えんと |
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| ＃２４ |
妙楽寺の森 山道を 辿りつ行けば 鳥の声 |
睦沢町
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| ＃２５ |
八坂神社の森 鵜の原の 八坂神社の 裏山は |
勝浦市鵜原
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| ＃２６ |
太東の海岸植物群落 海浜の 荒れ地に住まう 植物の |
岬町和泉
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| ＃２７ |
大須賀山の森 ビル街の 単調模様に 飽きた目に |
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| ＃２８ |
大福山自然林 豆蔦の 髭を生やせる 古武士あり |
市原市石塚（白鳥神社）
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| ＃２９ |
房総風土記の丘 木漏れ日の 松の林の 郷愁は |
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