もう５年も前のことになるが、息子と共に四街道の古木をみて回ったことがあった。
きっかけは、当時、息子が学校の課外活動で生物部に入っていて、動物･植物に興味があり、山椒魚の生態観測や羊歯植物・南蛮キセルの植生調査など野外活動を盛んに行っていて、それに何回かアッシーとして付き合っていた。
そんなときに、身近なところで、四街道市の天然記念物：巨樹・古木を訪ねて回りみる機会があり、現状の写真を撮り、その覚え書き程度に小冊子にまとめたことがあった。
今、あらためてそれを見ると、当時のことが思い起こされて、懐かしく、よい思い出となっている。
インターネットで、念願のホームページを始めるにあたり、郷土愛のシンボルとしての天然記念物を大事にすることを誓い、この「四街道の古木の歌」をホームページ第一号に載せ、歌巡りをすることにした。
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縁ありて 住みにし街の いみじくも |
＃０１ 鹿 渡 路傍の欅（ケヤキ；樹齢：１６０年）
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落花生の 畑仕事の 一休み 鹿渡の 欅の古木に 立ち寄れば |
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＃０２ 鹿 渡 不動尊堂の公孫樹（イチョウ；樹齢：３００年）
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山道に 枝垂れながらの 乳公孫樹 お篭もりに 火生三昧 不動様 |
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＃０３ 鹿 渡 香取神社の椎と杉（樹齢：２６０年）
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鹿渡の 杜にたゆまぬ 蝉時雨 見上げれば 香取神社の 夏木立 |
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＃０４ 栗 山 蓮華寺の公孫樹（樹齢不詳）
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蓮華寺の 公孫樹の脇の 供養塔 人馬共に 働きしこと 想いみる |
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＃０５ 小名木 吉祥寺の公孫樹（樹齢不詳）
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雲なびく 小名木の崗の 大公孫樹 |
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＃０６ 和良比 吉祥院の公孫樹（樹齢：１６０年）
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竹林に 蝉の声する 吉祥院 夏の陽の あまりにきつき 昼下がり |
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＃０７ 和良比 皇産霊（みむすび）神社の樹木（樹齢不詳）
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人気なき 和良比の林は ほの暗く 杉老うる あくまで直き 生き様に |
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＃０８ 吉 岡 福星寺館の枝垂れ桜（樹齢：３６０年）
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下夕（した）山の 城址に残る 名木や 花便りを 待てずに来れば 花嫁の |
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＃０９ 吉 岡 岡田邸の柊（ヒイラギ；樹齢：３００年）
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木出城の跡を偲ばんもの ありや 柊の 三百年の 今なれば |
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＃１０ 吉 岡 篠崎邸の欅（樹齢：３００年）
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屋根二重の 高みに目立つ 欅の樹 樹高競う 木々の多かり 吉岡の |
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＃１１ 吉 岡 軽戸朝日神社の欅（樹齢：３００年）
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境内の 裏手に聳ゆる 大欅 道一つ 杉の根方を そのままに |
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＃１２ 山 梨 大隆寺の榧（樹齢不詳）
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大隆寺の 榧は古木の 僧にして 大隆寺の 榧に長寿の 徳偲ぶ |
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＃１３ 山 梨 香取神社の樹木（樹齢不詳）
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巨き木の 下草影に 蟋蟀（こおろぎ）の 境内の 林を抜ける 風ありて |
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＃１４ 山 梨 栗原邸の槙と木槲（モッコク；樹齢：２００年）
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茅葺きの いかにも旧家の 屋敷内 その昔 火事に会いてと ご新造さん 人の世は 幾代替わるも 木槲の |
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＃１５ 山 梨 斎藤邸の欅（樹齢：３００年）
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苔むせば 欅の根方は なおさらに 祠建て ご神木とて 崇めれば |
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＃１６ 中 台 観音寺の楠（樹齢：１６０年）
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願わくば 楠の元木に 若葉萌ゆ |
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＃１７ 中 台 市原邸の木槲（樹齢：３００年）
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夏の陽の 明るき庭の 主木とて 人目多き 庭の主たる 木槲の |
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＃１８ 成 山 高りゅう神社の杉（樹齢不詳）
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古木訪ね 山に入れば 懐かしの 成山の 神社を問えば 老ふたり |
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＃１９ 長 岡 香取神社の杉（樹齢：６００年）
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長岡の 神社に肖り 大杉の 林間も 土地開発の この頃や |
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＃２０ 物 井 公民館の欅（樹齢：３００年）
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生垣の 道の端に立つ 大欅 六地蔵に 花を手向ける ひと居れば |
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＃２１ 物 井 天照大神社のトウネズミモチ（樹齢：３００年）
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いたましや 樹皮一枚で 活きるとは |
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＃２２ 物 井 栗原邸の椎（樹齢不詳）
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その根方 室となりても 双幹の 公道に 幹覗かせる 椎大樹 |
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＃２３ 物 井 荻原邸の榧（樹齢：５００年）
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榧大樹 白亜の古倉に 寄り添うも 木漏れ日は 屋敷の林に 差し込みて |
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＃２４ 物 井 森邸の公孫樹（樹齢：３００年）
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仲良きや 夫婦公孫樹の 子沢山 銀杏の 多かる年の 憂鬱や |
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＃２５ 亀 崎 道祖神の欅（樹齢：３６０年）
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竹垣の 三叉の小道の 道祖神 小道行けば 欅の大樹は 陰なして |
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＃２６ 亀 崎 熊野神社の樹木（樹齢：５００年）
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亀崎の 熊野神社の 木漏れ日に 三つ又に 分かれて奇妙な ご神木 |
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＃２７ 亀 崎 林田邸の木槲（樹齢：３００年）
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池に見る 名木たらん 昔日を |
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＃２８ 亀 崎 清宮邸の松
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丹精の 甲斐なく枯れし 枝垂れ松 仮初めに 二代目の松 移植して |
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＃２９ みそら 第八号公園の椎（樹齢：１６０年）
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公園の お山の大将 椎古木 子供らの 遊び処や 椎の木は |
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＃３０ 内黒田 熊野神社の椎（樹齢不詳）
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田を抜けて 山に入れば 内黒田 自在なる 枝のバランス 支えしは |
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＃３１ 鹿放丘 記念樹（樹齢：７０年）
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七十経る 鹿放ケ丘の 開拓の 開拓へ 夢見る晩夏の 鰯曇 |
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＃３２ 四街道 津之森通りの欅
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形見さえ 留め置かざる 寂しさや |
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＃３３ 四街道 十字路の榎（樹齢不詳）
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今は昔 十字路に立つ 大榎 車降りて 旧街道をもとおれば |
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＃３４ 四街道 駅前の公孫樹（樹齢不詳）
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移植して 蘇生し得たり 大公孫樹 駅前の ロータリーに立つ 大公孫樹 |
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この四街道の古木巡りで出会った、物井の荻原さんや山梨の栗原さんとは、その後も賀状のお付き合いをさせて頂いている。
平成六年に、当時お目に掛かって、お話をした荻原さんのご母堂がお亡くなりになり、誠にご愁傷様でした。お悔み申し上げます。
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追悼歌 荻原チエさんに捧ぐ
卒寿みる 胡蝶の夢は 水無月の 古木訪えば 榧の樹下に まみゆ媼 |
四街道の古木の歌 終わり
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