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ゆうげ告げる 声甲高く 流れ来て 菜の花の 蝶と見まごう 子らの夕 春を呼ぶ こぶしの花の ひとひらが 水温む 川の流れや 花の舟 |
日 光 |
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山径に 遅れし君を 待つほどに 山に入れて 見合いし花や 菫草 |
黒 羽 |
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幾代の 朽ち木の柳か 手かざせば 翁招く 遊行柳の 若返り |
芦 野 |
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三ヶ月の 歩みの跡を 尋ねれば 吾が妻に 卯の花かざして 関の興 |
白 河 |
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民宿の 夕べに食べし 胡麻和えは ふたりいざり 芹摘む野辺の 宿りかな |
矢 吹 |
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夜桜に 酔う人ばかり 集まれば 花吹雪 樹下はおぼろ 月見酒 |
須賀川 |
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畑中の 道沿い群れし 韮の花を お下げ髪が 胸に誇りし 韮の花 |
小作田 |
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畑中に 忘れ置かれし 一里塚 旅人に 声を掛けたき 一里塚 |
守 山 |
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浅香山の 標頼りて 路ゆけば 道標 見つけて旅の 風かおる |
日和田 |
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虎刈りの 小草の畔を 踏みゆけば 水引し 田を喜びて 蛙鳴く |
高 倉 |
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懇ろに 手を合わせれば 五月雨に 鬼の目に 泪にじます こぬか雨 |
黒 塚 |
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被り取る 野良の娘の 黒髪に しのぶれば 色染める頃 白被り |
信夫の里 |
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母心 たれに伝えん いづく世も 母心 担いて落花の 椿かな |
飯坂・医王寺 |
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秋来れば 薄の形見 戴くも 実方の 豪気に負けぬ 畔の草 |
笠 島 |
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遠くより それと知れたる 二本松 とうとうと 濡れて芽をふく 二本松 |
岩沼・武隈の松 |
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列なして 求めし銘菓を ほおばれば 宮城野の 花写してや 広瀬川 大杉の 林の声は 百千鳥 経詠めば 杜の都や 春過ぎる 赤は赤 黄は黄に群れて 競い咲く 花に飽いて 蝶の道あり 西の空 |
仙 台
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（３）
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