戦場ケ原のハイキング

カラオケに　興ずる同志を　共に乗せて
　　　パノラマ号の　軽き走りに

仲間内の　可愛い子等と　相席す
　　　パノラマ号の　無邪気なひととき

親と子の　睦の時を　織りなして
　　　パノラマ号の　車内風景

大葉子の　花穂に止まる　赤とんぼ
　　　小さき手より　逃げつ戻りつ

幼な手に　追われて遊ぶ　赤とんぼ
　　　戦場ケ原の　昔変わらず

聞くからは　暑さ覚えぬ　蝉の声
　　　奥日光の　夏の終わりに

しろがねの　湯滝は光りて　岩走る
　　　淡き飛沫に　涼風誘う

熊笹の　徑そぞろゆく　ハイキング
　　　台風一過の　ぬかるみあるも

倒れ臥す　樹はそのままに　苔むして
　　　湯川に架かる　かりそめの橋

水嵩を　増して息づく　なめり滝
　　　小田代橋に　音響かせる

朽ち果てし　親木の根方を　頼りつつ
　　　若木育てば　新緑まぶし

釣り人の　姿も見えて　活きづかん
　　　湯川の幸を　愛ずる同胞

食事する　場所に選ばる　泉門池
　　　絵葉書に居る　楽しき気分

白樺の　疎林を渡る　風ありて
　　　戦場ケ原は　晩夏を名乗る

木道に　立ち留まりて　仰ぎ見る
　　　男体山は　雄々しくもあり

連なりし　峰をばさして　ぽっかりと
　　　白雲の涌く　戦場ケ原よ

草隠れに　戦場ケ原の　花の宿
　　　数少なくも　蝶々住まう

花時を　過ぎて淋しき　湿原に
　　　薊遅咲く　木道の脇